歯茎から血が出る原因と対処法|放置すると歯が抜ける?
監修:現役の歯科医師
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歯茎から血が出る原因と対処法|放置すると歯が抜ける?
「歯みがきのときに、ハブラシが赤くなっている…」
「リンゴをかじったら血がついていた…」
そんな経験はありませんか?歯茎からの出血は、多くの方が一度は経験する身近なトラブルです。でも、「たまに血が出るくらい大丈夫」と放置してしまうと、将来歯を失う原因にもなりかねません。
この記事では、歯科医師の立場から、歯茎から血が出る原因と、ご自宅でできる対処法、歯科医院での治療内容、費用や期間の目安まで、わかりやすくお伝えします。
歯茎から血が出る主な原因
歯茎からの出血の原因は、実はほとんどが「歯ぐきの炎症」によるものです。代表的な原因を見ていきましょう。
1. 歯肉炎・歯周病
もっとも多い原因が、歯と歯茎の境目にたまった歯垢(プラーク)による炎症です。歯垢の中の細菌が毒素を出し、歯茎が腫れて出血しやすくなります。
2. 歯みがきの仕方の問題
強くゴシゴシ磨きすぎていたり、逆に磨き残しが多かったりすると、歯茎が傷ついたり炎症を起こしたりします。
3. 全身の状態(ホルモン・ストレス・疲労)
妊娠中や生理前、睡眠不足のときは、ホルモンや免疫の影響で歯茎が腫れやすくなります。
4. 薬の副作用・全身疾患
血液をサラサラにする薬を飲んでいる方、糖尿病・白血病などの病気がある方も、出血しやすい傾向があります。
放置すると本当に歯が抜けるの?
結論からお伝えすると、放置すれば歯が抜ける可能性は十分にあります。
歯肉炎を放置すると、炎症が歯を支える骨(歯槽骨)まで進行し、「歯周炎」になります。歯槽骨は一度溶けると元には戻りにくく、進行すると歯がグラグラして最終的に抜け落ちてしまうのです。
実際、日本人が歯を失う原因の第1位は歯周病(約4割)とされています(公益財団法人8020推進財団調べ)。「血が出る」は、お口からの最初のサインなのです。
進行段階の目安
| 段階 | 状態 | 症状 |
|---|---|---|
| 歯肉炎 | 軽度 | 歯茎の腫れ・出血 |
| 軽度歯周炎 | 中等度 | 歯周ポケット形成、口臭 |
| 中等度歯周炎 | 進行 | 骨が溶け始める、歯がしみる |
| 重度歯周炎 | 末期 | 歯がグラグラ、膿、抜歯のリスク |
自宅でできる対処法
- やわらかめのハブラシで、力を入れず小刻みに磨く
- 歯と歯茎の境目に45度の角度で毛先を当てる(バス法)
- デンタルフロス・歯間ブラシを毎日使う
- 殺菌成分入りのデンタルリンスを併用する
- 十分な睡眠・バランスのよい食事・禁煙を心がける
ただし、セルフケアだけでは歯石(硬くなった歯垢)は取れません。1〜2週間続けても改善しない場合は、歯科医院での専門的なケアが必要です。
歯科医院での治療内容・費用・期間
1. 検査・スケーリング(歯石除去)
- 費用:保険適用で3,000〜5,000円程度(3割負担の場合)
- 期間:軽度なら1〜2回(2〜4週間)
2. 中等度〜重度の歯周病治療(SRP・歯周外科)
- 費用:保険適用で5,000〜15,000円程度(3割負担、回数による)
- 期間:3〜6か月程度。お口全体を数ブロックに分けて治療します
3. 自費診療の選択肢
歯周組織再生療法(リグロス、エムドゲイン等)は、症例により1か所5万〜15万円程度(自費)かかることがあります。重度の方が対象となる治療です。
4. メンテナンス
治療終了後は、3〜6か月に1回のメンテナンス(保険適用で約3,000円前後)が、再発予防に欠かせません。
こんなときはすぐ歯科医院へ
- 毎日のように出血する
- 歯茎が赤黒く腫れている
- 口臭が強くなった
- 歯が長くなった気がする(歯茎が下がっている)
- 歯がグラグラする
まとめ
歯茎からの出血は、お口からの「助けて」のサインです。早めに対処すれば、ほとんどの場合は健康な状態に戻せます。逆に放置すれば、歯を失うリスクが高まります。
セルフケアを見直すと同時に、ぜひ一度かかりつけの歯科医院で検査を受けてみてください。
※本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、個別の診断・治療を行うものではありません。症状や治療方針は患者さんお一人おひとりで異なりますので、必ず歯科医師にご相談ください。
参考情報
- 厚生労働省「e-ヘルスネット:歯周病」 https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/
- 厚生労働省「令和4年歯科疾患実態調査」
- 公益社団法人 日本歯科医師会「テーマパーク8020:歯周病」 https://www.jda.or.jp/park/
- 特定非営利活動法人 日本歯周病学会「歯周病の検査・診断・治療計画指針」
- 公益財団法人 8020推進財団「永久歯の抜歯原因調査」
- Tonetti MS, et al. "Staging and grading of periodontitis." J Clin Periodontol. 2018;45(Suppl 20):S149-S161.
著者:歯科医師
⚕️ 医療情報についてのご注意
本記事は一般的な情報提供を目的としており,個別の診断・治療の代替となるものではありません。 症状・治療方針については,必ず歯科医師にご相談ください。 掲載情報は執筆時点のものであり,診療内容・費用・制度は変更される場合があります。
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