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専門家コラム2026-06-095

顎関節症の症状と治療法|何科に行けばいい?

監修:現役の歯科医師

臨床経験をもとに本音でお伝えします|監修・編集方針を見る ›

顎関節症の症状と治療法|何科に行けばいい?

顎関節症の症状と治療法|何科に行けばいい?

「口を開けるとカクッと音がする」「あごが痛くて硬いものが噛みづらい」「朝起きるとあごがだるい」――そんな症状でお悩みではありませんか?それはもしかすると顎関節症(がくかんせつしょう)かもしれません。

顎関節症は、日本人の2人に1人が一度は経験するともいわれる、とても身近な病気です。今回は、歯科医師の立場から、症状や治療法、何科を受診すればよいかをやさしく解説します。

顎関節症とは?

顎関節症とは、あごの関節やその周囲の筋肉に痛みや不具合が起こる病気の総称です。原因は一つではなく、噛み合わせ・歯ぎしり・食いしばり・ストレス・姿勢の悪さなど、さまざまな要素が重なって起こると考えられています。

こんな症状はありませんか?

代表的な3つの症状

  • あごが痛い:口を開閉するとき、食事のときに痛む
  • 口が大きく開かない:指3本(約40mm)が縦に入らない
  • 関節音がする:「カクッ」「ジャリッ」といった音がする

そのほかに見られる症状

  • 頭痛、肩こり、首のこり
  • 耳の周りの違和感、耳鳴り
  • 朝起きたときのあごのだるさ(夜間の歯ぎしりが原因のことも)
  • 顔の左右非対称感

これらの症状が2週間以上続く場合は、一度専門医に相談することをおすすめします。

何科を受診すればいい?

結論からお伝えすると、まずは「歯科」または「口腔外科」を受診してください。特に以下の診療科がおすすめです。

診療科 特徴
歯科口腔外科 大学病院・総合病院に多く、専門的検査が可能
一般歯科(顎関節症対応) 身近で通いやすい。マウスピース治療など対応可
矯正歯科 噛み合わせが原因と疑われる場合

耳の症状が強い場合は耳鼻咽喉科を受診される方もいますが、原因があごにある場合は最終的に歯科への紹介となることが多いです。

顎関節症の治療法

1. セルフケア指導

軽症の場合、生活習慣の見直しだけで改善することも少なくありません。

  • 硬い食べ物・ガムを控える
  • 頬杖・うつぶせ寝を避ける
  • 上下の歯を接触させない(TCH=歯列接触癖の改善)
  • あごのストレッチ・温熱療法

2. スプリント療法(マウスピース)

就寝中に装着するマウスピースで、関節や筋肉への負担を軽減します。最も一般的な治療法です。

3. 薬物療法

痛みが強い時期には、消炎鎮痛薬や筋弛緩薬を処方することがあります。

4. 理学療法・運動療法

開口訓練やマッサージで、あごの動きを改善していきます。

5. 外科的治療

関節内に問題がある重症例では、関節腔洗浄療法や手術を検討することもありますが、全体の数%程度とまれです。

費用と治療期間の目安

治療内容 費用の目安 保険適用
初診・検査(レントゲン含む) 3,000〜5,000円 保険適用
スプリント(マウスピース)作製 5,000〜8,000円 保険適用
薬物療法(1か月) 1,000〜3,000円 保険適用
自費のオーダーメイドマウスピース 30,000〜80,000円 自費
MRI検査(必要時) 5,000〜8,000円 保険適用

治療期間の目安は、軽症の場合は1〜3か月、中等症で3〜6か月、慢性化している場合は半年〜1年以上かかることもあります。多くの方は保存的治療で改善が見込めます。

自宅でできる予防・改善ポイント

  1. 意識的に「歯を離す」(上下の歯が触れているのは食事と会話のときだけが正常)
  2. スマホ・PC作業中の姿勢を整える
  3. 就寝前のリラックスタイムでストレスケア
  4. 片側だけで噛む癖を直す

まとめ

顎関節症は決して珍しい病気ではなく、適切な対応で多くの場合は改善が期待できます。「このくらいなら大丈夫」と我慢せず、症状が2週間以上続くようなら、早めに歯科や口腔外科を受診しましょう。

※本記事は一般的な情報提供を目的としたものです。症状や治療方針には個人差があります。自己判断せず、必ず歯科医師にご相談ください。

参考情報

  • 厚生労働省 e-ヘルスネット「顎関節症」
    https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/
  • 日本顎関節学会「顎関節症の診療ガイドライン」
    http://kokuhoken.net/jstmj/
  • 日本歯科医師会「テーマパーク8020 顎関節症」
    https://www.jda.or.jp/park/
  • 日本口腔外科学会「顎関節症」
    https://www.jsoms.or.jp/public/

著者:歯科医師

⚕️ 医療情報についてのご注意

本記事は一般的な情報提供を目的としており,個別の診断・治療の代替となるものではありません。 症状・治療方針については,必ず歯科医師にご相談ください。 掲載情報は執筆時点のものであり,診療内容・費用・制度は変更される場合があります。