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専門家コラム2026-06-076

噛み合わせが悪い(不正咬合)の治療法と費用・期間

監修:現役の歯科医師

臨床経験をもとに本音でお伝えします|監修・編集方針を見る ›

噛み合わせが悪い(不正咬合)の治療法と費用・期間

噛み合わせが悪い(不正咬合)の治療法と費用・期間 ― 歯科医師がやさしく解説

「上下の歯がうまく噛み合わない」「前歯が出ている」「下の歯が前に出ている」――こうした噛み合わせの悩み(不正咬合)を抱えている方は、実はとても多いものです。見た目の問題だけでなく、肩こり・頭痛・顎関節症・むし歯のなりやすさなど、お口や全身の健康にも関わってきます。

この記事では、患者さんからよくいただくご質問にお答えする形で、不正咬合の治療法・費用・期間について、わかりやすくまとめました。

そもそも「噛み合わせが悪い」とはどんな状態?

不正咬合にはいくつかタイプがあります。ご自身がどのタイプに近いか、チェックしてみてください。

  • 出っ歯(上顎前突):上の前歯や上あごが前に出ている
  • 受け口(下顎前突・反対咬合):下の歯が上の歯より前に出ている
  • 叢生(そうせい):歯がデコボコに並んでいる、八重歯
  • 開咬(かいこう):奥歯を噛んでも前歯が閉じない
  • 過蓋咬合(かがいこうごう):噛んだときに下の前歯が見えないほど深く噛みこんでいる
  • 交叉咬合:上下の歯が部分的に逆に噛んでいる

放っておくとどうなる?

「見た目が気にならなければそのままでいいのでは?」というご質問もよくいただきます。しかし、噛み合わせの不調は次のようなトラブルにつながることがあります。

  • むし歯や歯周病になりやすくなる(みがき残しが増えるため)
  • 顎関節症(口が開きにくい・あごが痛い)
  • 発音がしにくい
  • 食べ物がよく噛めず、消化器への負担
  • 肩こり・頭痛・姿勢のゆがみ

主な治療法

1. ワイヤー矯正(マルチブラケット法)

歯の表面に金属やセラミックのブラケットをつけ、ワイヤーで歯を動かしていく、もっとも一般的な方法です。幅広い症例に対応できます。

2. マウスピース矯正(インビザライン等)

透明なマウスピースを段階的に交換しながら歯を動かす方法です。目立ちにくく、取り外しもできますが、適応できる症例には限りがあります。

3. 裏側(舌側)矯正

歯の裏側に装置をつけるため、外から見えません。費用は高めで、慣れるまで違和感を感じる方もいます。

4. 部分矯正

前歯だけなど、気になる部分のみを動かす方法です。期間も費用も抑えられますが、噛み合わせ全体の改善にはなりません。

5. 外科的矯正(顎変形症など)

骨格に大きな問題がある場合、あごの手術を併用することがあります。一定の条件を満たすと保険適用になります。

費用と期間の目安

治療法 費用の目安(自費) 期間の目安
ワイヤー矯正(全体) 約60万〜100万円 1.5〜3年
マウスピース矯正(全体) 約70万〜100万円 1〜3年
裏側(舌側)矯正 約100万〜150万円 2〜3年
部分矯正 約10万〜40万円 2ヶ月〜1年
外科的矯正(顎変形症など、条件を満たせば保険適用) 保険適用で自己負担 約30万〜60万円(3割負担・高額療養費制度の対象) 2〜3年(手術含む)

※費用は医療機関や地域により異なります。多くの矯正治療は自費診療(保険適用外)ですが、顎変形症や唇顎口蓋裂など、国が定めた特定の疾患による不正咬合は保険適用となります(指定医療機関での治療が条件)。

また、治療後には歯の後戻りを防ぐ「保定期間」が1〜2年程度必要です。リテーナー(保定装置)の費用が別途かかる場合もあります。

治療を始める前にチェックしたいこと

  1. カウンセリングは無料か有料か
  2. 費用は「総額制」か「都度払い」か
  3. 追加料金(調整料・装置の破損時など)の有無
  4. 医療費控除の対象になるか(噛み合わせ改善目的なら多くの場合対象)
  5. 担当医が日本矯正歯科学会の認定医・専門医かどうか

大人になってからでも矯正はできる?

はい、できます。歯と歯ぐきが健康であれば、年齢の上限は基本的にありません。実際に40代・50代から始める方も増えています。ただし、歯周病がある場合は先にその治療が必要です。

最後に ― 必ず歯科医師にご相談を

不正咬合の治療は、お一人おひとりの歯並び・骨格・生活習慣によって最適な方法が異なります。インターネットやSNSの情報だけで判断せず、必ず歯科医師による診察とレントゲン検査を受けた上で、ご自身に合った治療を選んでください。複数の医院でセカンドオピニオンを受けるのもおすすめです。

「気になっているけど、一歩が踏み出せない」――そんな方こそ、まずは相談から始めてみてくださいね。

参考情報

※本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、個別の診断・治療方針を示すものではありません。症状や治療法については、必ずかかりつけの歯科医師にご相談ください。

⚕️ 医療情報についてのご注意

本記事は一般的な情報提供を目的としており,個別の診断・治療の代替となるものではありません。 症状・治療方針については,必ず歯科医師にご相談ください。 掲載情報は執筆時点のものであり,診療内容・費用・制度は変更される場合があります。