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専門家コラム2026-05-27最終更新:2026-06-196

歯石はなぜたまる?自分で取れる?定期クリーニングの必要性

監修:現役の歯科医師

臨床経験をもとに本音でお伝えします|監修・編集方針を見る ›

歯石はなぜたまる?自分で取れる?定期クリーニングの必要性

歯石はなぜたまる?自分で取れる?定期クリーニングの必要性

こんにちは。歯科医師です。患者さんから「歯石って自分で取れないんですか?」「定期的にクリーニングに通う必要って本当にあるんですか?」というご質問をよくいただきます。今日はそんな歯石にまつわる疑問に、できるだけわかりやすくお答えしていきます。

そもそも歯石とは?なぜたまるの?

歯石とは、簡単に言えば「歯垢(プラーク)が石のように硬くなったもの」です。歯の表面には、毎日食事をするたびに細菌のかたまりである歯垢が付着します。この歯垢が、だ液に含まれるカルシウムやリン酸と結びついて石灰化することで、歯石へと変化していきます。

歯垢が歯石になるまでにかかる時間は、わずか2日〜2週間程度と言われています。「丁寧に磨いているのに歯石ができる…」という方が多いのは、このスピードの早さが理由のひとつです。

歯石がたまりやすい場所

  • 下の前歯の裏側(舌側)
  • 上の奥歯の外側(頬側)
  • 歯と歯の間
  • 歯と歯ぐきの境目

これらの場所は、だ液腺の開口部に近かったり、歯ブラシが届きにくかったりするため、特に歯石が付きやすいのです。

歯石を放っておくとどうなる?

「歯石ぐらい大したことない」と思われがちですが、放置するとさまざまなトラブルにつながります。

  1. 歯周病の進行:歯石の表面はザラザラしていて、さらに細菌が付着しやすくなります。これが歯ぐきの炎症を引き起こし、歯周病を悪化させます。
  2. 口臭の原因:歯石に含まれる細菌が、口臭のもととなるガスを発生させます。
  3. 歯ぐきの出血・腫れ:歯みがきのたびに血が出るのは、歯石が原因のことが多いです。
  4. 最終的に歯を失うリスク:歯周病が進むと、歯を支える骨が溶け、歯がぐらついて抜けてしまうこともあります。

歯石は自分で取れるの?

結論からお伝えすると、歯石をご自身で安全に取り除くことはおすすめできません

市販の「歯石取り器具(スケーラー)」も販売されていますが、以下のようなリスクがあります。

  • 歯ぐきを傷つけて出血・感染を起こす
  • 歯の表面(エナメル質)にキズが付き、かえって歯垢が付きやすくなる
  • 見えない歯ぐきの中の歯石は取りきれない
  • 知覚過敏を引き起こす

特に、歯ぐきの中に隠れた「縁下歯石(えんかしせき)」は、専用の器具と技術がないと除去できません。無理にご自身で取ろうとすると、症状を悪化させてしまうことが多いのです。

歯科医院でのクリーニングの内容と費用

主なクリーニングの種類

処置内容 保険適用 費用の目安(3割負担) 1回の所要時間
スケーリング(歯石除去) ○(歯周病の診断下) 約3,000〜4,000円 30〜60分
SRP(歯ぐきの中の歯石除去) ○(歯周病の診断下) 約1,000〜2,000円/回 30〜60分
PMTC(専門的機械清掃) ×(自費が一般的) 約5,000〜15,000円 45〜60分
エアフロー(着色除去) ×(自費) 約3,000〜10,000円 30〜45分

※費用は医院によって異なります。詳しくは受診される歯科医院にご確認ください。

治療期間の目安

歯石の量や歯周病の進行度によりますが、おおよその目安は以下のとおりです。

  • 軽度(歯石が少ない方):1〜2回の通院(約1〜2週間)
  • 中等度(歯周病あり):4〜6回の通院(約1〜2か月)
  • 重度(歯周病が進行):6回以上、半年程度かかる場合もあります

定期クリーニングはどのくらいの頻度で?

多くの歯科医院では、3〜6か月に1回の定期クリーニングをおすすめしています。歯石は毎日のセルフケアだけでは完全に防げないため、定期的なプロのケアを組み合わせることが、お口の健康を守る一番の近道です。

厚生労働省が推進する「8020運動」(80歳で20本以上の歯を残そう)でも、定期検診の重要性が強調されています。

毎日のセルフケアでできること

  • 歯ブラシは1日2回以上、特に就寝前は丁寧に
  • デンタルフロスや歯間ブラシを併用する(歯垢除去効果が約1.5倍に)
  • フッ素入り歯みがき粉を使う
  • だらだら食べ・甘い飲み物の頻回摂取を避ける

まとめ

歯石は、毎日のだ液と歯垢の組み合わせで誰にでもたまるものです。ご自身で無理に取ろうとせず、定期的に歯科医院でクリーニングを受けることが、お口の健康と全身の健康を守る基本となります。

※本記事は一般的な情報提供を目的としています。お口の状態は人それぞれ異なりますので、ご自身の症状や治療方針については、必ずかかりつけの歯科医師にご相談ください。

参考情報

  • 厚生労働省「e-ヘルスネット 歯周病」
    https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/
  • 日本歯科医師会「テーマパーク8020」
    https://www.jda.or.jp/park/
  • 日本歯周病学会「歯周病患者における再生療法のガイドライン」
  • 厚生労働省「歯科疾患実態調査」(最新版)
  • Chapple ILC, et al. "Primary prevention of periodontitis: managing gingivitis." J Clin Periodontol. 2015.

🔬 専門家のひとこと|歯科医師より

自分では確実な歯みがきは難しいものです。定期検診でプロのケアを受けることが,結局は健康を維持でき,費用も一番かかりません。目安は1回3,000円ほどです。

⚕️ 医療情報についてのご注意

本記事は一般的な情報提供を目的としており,個別の診断・治療の代替となるものではありません。 症状・治療方針については,必ず歯科医師にご相談ください。 掲載情報は執筆時点のものであり,診療内容・費用・制度は変更される場合があります。