入れ歯が合わない・痛い場合の対処法と調整費用
監修:現役の歯科医師
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こんにちは。歯科医師です。「せっかく作った入れ歯なのに、痛くて噛めない」「話していると外れそうになる」「歯ぐきに当たって食事が楽しめない」――そんなお悩みを抱えていらっしゃいませんか?入れ歯が合わないというのは、実はとてもよくあるお悩みで、決して我慢し続けるものではありません。今回は、入れ歯が合わないときの原因と対処法、そして気になる調整費用についてわかりやすくお伝えします。
入れ歯が合わない・痛いときによくある原因
「最初は調子が良かったのに、だんだん合わなくなってきた」というご相談をよくいただきます。入れ歯が合わなくなる原因は一つではありません。
- 歯ぐきや顎の骨の変化:入れ歯を入れていると、歯ぐきの下にある顎の骨が少しずつ痩せていきます。これは自然な変化です。
- 体重の増減や体調の変化:お口の中の粘膜も体の一部。むくみや痩せで合い方が変わります。
- 入れ歯のすり減り・変形:長年使うと人工歯がすり減り、噛み合わせがズレてきます。
- 残っている歯の状態変化:部分入れ歯の場合、支えている歯の動きや虫歯で合わなくなります。
- 金具(クラスプ)のゆるみ:バネの部分が緩むと外れやすくなります。
痛いときの応急的なセルフケア
「すぐに歯科医院に行けない」というとき、ご自宅でできることもあります。ただし、あくまで応急処置です。
- 痛みが強い場所をメモする:受診時に伝えやすくなります。
- 外して歯ぐきを休ませる:強い痛みや傷があるときは、無理に装着し続けないでください。
- 入れ歯を清潔に保つ:汚れや細菌の付着が痛みを悪化させることがあります。
- 市販の入れ歯安定剤に頼りすぎない:一時しのぎにはなりますが、根本的な解決にはならず、長期使用は粘膜にダメージを与えることもあります。
注意していただきたいのは、「ご自身でヤスリやハサミで削る・切る」のは絶対に避けてください。かえって悪化させ、作り直しになるケースもあります。
歯科医院での調整方法
1. 部分的な調整(削合)
当たって痛い部分を専用の器具で少しずつ削って合わせていきます。1回15〜30分程度で済むことがほとんどです。
2. リライン(裏打ち)
入れ歯の歯ぐきに当たる面に新しい樹脂を盛って、ぴったり合わせる方法です。顎の骨が痩せてきた方によく行われます。
3. 修理
割れた部分の修理、金具の交換、人工歯の付け足しなどです。
4. 作り直し
変形が大きい、噛み合わせが大きくズレているなどの場合は、新しく作ることをご提案することがあります。
気になる費用の目安
費用は保険診療か自費診療かで大きく変わります。以下は一般的な目安です(地域・医院によって変動します)。
| 処置内容 | 保険適用(3割負担の場合) | 自費の目安 |
|---|---|---|
| 調整(削合) | 約300〜800円/回 | 3,000〜10,000円/回 |
| リライン(裏打ち) | 約2,000〜4,000円 | 20,000〜50,000円 |
| 修理(破折・クラスプ追加) | 約1,500〜5,000円 | 10,000〜50,000円 |
| 新しく作製 | 総入れ歯で約10,000〜15,000円 | 150,000〜600,000円以上 |
保険の入れ歯は新製作後、原則として6か月間は新しい入れ歯を保険で作り直すことができないというルールがあります(調整・修理は可能)。自費の入れ歯は素材(金属床、ノンクラスプデンチャーなど)や精度の高さが選べる反面、費用は高くなります。
治療期間の目安
- 調整のみ:1〜3回(1〜2週間)。1回で痛みが取れることも多いです。
- リライン:1〜2回(1〜2週間)。
- 修理:数日〜1週間程度。
- 新製作:4〜8回程度の通院、1〜2か月。難症例ではそれ以上かかることもあります。
痛みを我慢しないでください
「これくらい我慢すれば慣れるかも」と痛みを放置すると、歯ぐきに傷ができ、口内炎やカンジダ症、まれに粘膜の変化(良性・悪性の腫瘍)につながることもあります。違和感を感じたら早めの受診が結果的に費用も時間も節約できます。
本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、個々のお口の状態によって最適な対処法や費用は異なります。気になる症状がある場合は、自己判断せず必ずかかりつけの歯科医師にご相談ください。
参考情報
- 厚生労働省「歯科診療報酬点数表」https://www.mhlw.go.jp/
- 日本歯科医師会「テーマパーク8020 入れ歯について」https://www.jda.or.jp/
- 日本補綴歯科学会「有床義歯補綴診療のガイドライン」https://www.hotetsu.com/
- 日本老年歯科医学会「高齢者の口腔機能管理に関する指針」
あなたのお口に合う入れ歯で、もう一度おいしい食事と笑顔の毎日を取り戻していただけることを願っています。
⚕️ 医療情報についてのご注意
本記事は一般的な情報提供を目的としており,個別の診断・治療の代替となるものではありません。 症状・治療方針については,必ず歯科医師にご相談ください。 掲載情報は執筆時点のものであり,診療内容・費用・制度は変更される場合があります。
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